ナインプロモーション沖縄の国際交流事業は二人の男から始まった。

15歳で初めてブラジルに渡り、いつか沖縄もこんなスポーツで盛り上がる街にしたい!そしてみんなが熱狂するクラブをつくりたい!そう思ってから、FC琉球(現J3)の立ち上げに参加したり、FC岐阜(現J2)のフロントスタッフとして活動したりとプロサッカーの現場に携わらせて頂いた。

こんな僕に、FC琉球時代様々なアドバイスをくれた人物、そしてFC岐阜のフロントスタッフとしてのオファーを出して頂いた人物、それは「服部順一」(現V・ファーレン長崎GM)。僕はこの人には本当に頭が上がらない。


本人がこういう風に言われることや、人前で話されることを嫌うため、あまり僕が直接名前を出してこの様な形で書くのは珍しいのだが、この僕がやっている東アジアサッカー大会などの、アジアで展開している事業を語る上で、彼の名前が出てこないと話がはじまらないので、最初にご紹介させて頂きたい。


服部さんとの出会いは、FC琉球の設立時にまでさかのぼる。当時フロントスタッフは、社長と僕の2名という本当に小さなクラブの時代、県内での地道な地域貢献活動を怠らない様に指導をしてもらった。その結果、県リーグチームのサッカースクールに数百名もの会員が集まり、その後、その活動の甲斐あって、JFLでも平均5〜6千名を集めベストサポーター賞を受賞するまでにクラブも成長した。


そしてFC琉球を離れ、大学院でスポーツと地域経済について研究をしていた頃、FC岐阜へのオファーを頂いた。そのFC岐阜に所属していた頃、岐阜と台湾の交流がはじまった。

この台湾との交流は、元サッカー台湾代表で台湾代表監督も務めたこともあり、現在台湾国立体育運動大学の副学長を務める、「趙榮瑞」と「服部順一」が大学時代の友人であるということからスタートしたものである。


当時FC岐阜のスポンサーを務めていた某企業が、台湾で工場をやっているという関係もあり、クラブの台湾事業の後押しをして頂いた。


まだ台湾にはプロサッカーリーグがなく、今後台湾のサッカーを発展させたいという台湾側の思いもあり、FC岐阜のシーズン前のキャンプは台湾で行われ、熱烈な歓迎を受けた。そしてJリーグのシーズン中には、FC岐阜のホームゲームで「台湾ナイト」というイベントを開催し、台湾から要人を招待し、その様子は試合とともに台湾で放送もされた。


まだJリーグがアジア戦略など本格的に動く前の話である。


しかし、今西和男前社長が退任となり、服部もあとに続くように岐阜のGMを辞め、今西一派が次々に岐阜を離れ、その国際交流の重要さがわからない後任の経営陣により、台湾事業は打ち切りとなってしまった。


その当時、私も何度か台湾を訪れていて、趙さんとの関係も少しずつできていたため、岐阜よりも近く、歴史的にも交流が盛んだった、台湾と琉球(沖縄)の関係を良好にするため、双方で東アジア国際サッカー大会を開催するようになった。


これがナインプロモーション沖縄で、台湾をはじめとする東アジアのサッカー交流がスタートしたきっかけなのである。


2014年3月には、「台日沖縄国際交流大学サッカー大会」を開催し、沖縄県内4大学のサッカー部と、台湾で1・2を争う「国立台湾体育運動大学サッカー部」を招いた5チームで、沖縄県内の大学年代初の国際大会を開催した。僕らが学生の頃からすると夢のような体験である。

その大会では、サッカーの試合はもちろん、試合後に行われる交流会で、言葉も通じない大学生同士身振り手振り交流を行い、それぞれの魅力についても語り合った。その結果、沖縄の大学から、この台湾の大学に編入し台湾にサッカー留学をする生徒も誕生した。


そしてその年の8月、社会人選手による「東アジア国際交流サッカー大会in台中」がFIFA公認のもと行われ、台湾2チーム、中国、韓国、マカオ、そして琉球代表(沖縄)が熱戦を繰り広げた。


そして第3回を迎える、3月の大学生の大会は、2016年の今年から、台湾に続き香港とマカオの大学も参加し、名称を「東アジア沖縄国際交流大学サッカー大会」と変え大きく成長してきている。


この社会人や大学生の交流がきっかけとなり、ナインプロモーション沖縄では、サンビスカス沖縄FC U-15のメンバーが台湾遠征に行くのをサポートしたり、海外から沖縄に訪れる中学生や高校生チームを県内のサッカーチームと交流できるようにしたりしている。


台湾一つの地域だったのが、現在は香港やマカオ、そして中国や韓国からも沖縄に行きたいというお話もいただいており、ますます県内のサッカー少年の国際化も進んでいいくだろう!


そして次は、サッカー以外にもバスケやハンドボールに野球など、様々なスポーツの交流を行っていきたいと考えている。


こうして沖縄の子供たちが、スポーツを通して、言葉が違う、肌の色が違う、文化が違うスポーツの仲間たちを理解しあい、平和な世界を築いていってほしい。そして物怖じせず、県外や海外に行っても実力が発揮出来る国際人へと成長していってほしいと願っている。




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