世界が広がる・性格が変わるCPサッカーとの出会い。

昨日のブログで、日本サッカー協会の障害者サッカーへの取り組みについてお話しさせて頂きました。


今日は、ナインプロモーション沖縄が活動を支援している、沖縄のCPサッカー(脳性麻痺7人制サッカー)の現状について話をします。


まず、沖縄県内のCPサッカーは、私が沖縄に持ち込むまで、誰もやっていませんでした!と思ったら、沖縄CPサッカーのking伊江選手が、実はたった一人で活動していました。


僕が岐阜から沖縄に帰る際、必ず沖縄でもCPサッカーを普及させます!と意気込んでいましたが、なかなか仲間を見つけれずにいました。

そんな時に、ご紹介いただいのがking伊江です。


伊江さんは、まだチームも練習会もない沖縄から、一人県外のCPサッカーイベントに出向き、プレーをしていました。もともと県外にも少し住んでいたこともあり、そこで出会った友人たちとプレーをしていたそうです。

そんな伊江さんをFacebookで紹介してもらい、実際に会うことになったのです。


そして、伊江さんと会って話をしている時に、その体の麻痺を見て、一人の男を思い出しました。


現在沖縄チームのキャプテン松田選手です。

松田選手は、このブログでNPO法人設立秘話の時にも触れましたが、僕が通信制高校のサッカー部の監督をして、全国大会に出場した時の選手なのです。


当時は、彼の障害が脳性麻痺ということを知っておらず、障害があるにもかかわらず、健常者のサッカー大会でも活躍し全国大会に出場した根性のあるやつというくらいでした(笑)

そこで、色んな繋がりを駆使して彼の連絡先をゲットし電話しました!


僕「あっ!もしもしコウスケ?」

松田「はい!ご無沙汰してます!」

僕「おう!久しぶり〜!ところで、お前の障害って脳性麻痺?(笑)」

松田「はっはい。突然なんですか??笑」

僕「よっし、お前は今日からCPサッカー沖縄県代表だ!」

松田「へ???なんですかそれ??」

僕「とりあえずいついつ打ち合わせするから、どこどこに来い!」

・・・という感じで彼はもう一度サッカーを始めることになったのです(笑)


そんなこんなで、二人のメンバーから沖縄のCPサッカーの活動がスタートしました。

この二人が、仲間を少しずつ連れてきて、本当に少しずつ前進してきております。


そしてつい先日、突然キャプテンの松田選手から連絡をもらいました。なんでも相談があるということで、沖縄市のミスタードーナツで話をすることにしました。

話の内容自体はとってもポジティブで、もっとこういう練習をしてはどうか?こんな風に選手募集をしたい!というような話だった。


凄く嬉しかった。どこか引っ込み思案だったコウスケが、自分から積極的に活動をしている様子を見て、スポーツの力の大きさを実感した。


そしてさらに松田からこんな話が出た。

タカノブの様子が変わった!!というのだ!詳しく話を聞いてみると、チームでゴールキーパーを務めるタカノブ選手は、慣れてくると凄く良いムードメーカーなのだが、やはり彼も少し遠慮がちな性格。

そんな彼が、職場などで同じ障害も持った人にドンドンチームへの加入をお願いしているとのこと。少しずつ練習体験なども増えてきていることもあり、松田選手は自分も負けてられないという思いが湧いてきたのだという。


そんな彼らに、CPサッカーを始めて良かったことは何か?と聞いてみた。


やはり一番は「世界が広がること」だそうだ。

どういうことかというと、なかなか健常者には理解できないかもしれないが、全国大会に行くのに飛行機に乗る、全国大会などで同じ障害を持ってサッカーを頑張っている仲間に会うというのは、彼らにとって簡単なことではないのだ。


足を引きづりながら、杖をつきながら、3〜4日分の着替えを持ち、知らない土地に行く。もしかしたらスリなどの事件に巻き込まれるかもしれないし、出先で災害があった時にどう避難するのか?誰を頼るのか?小さな沖縄という島で育った彼らが海を渡るというのは、本当に勇気のいることなのだ。


しかし、その最初の一歩をクリアした彼らにとっては、この海を渡る大冒険が楽しくてしょうがないのだ。最初は年に1回の、それもホテルとグランドだけを往復する冒険から、2回目は知らない土地の美味しい料理を求め街に出てる。次は年に何度も冒険をするようになる。そして新たな仲間にであう。そして地元に戻ったら、SNSで世界中の仲間たちと近況を話し合い、また年に数回の再会を楽しみにする。

そうやって世界が広がり、新たな仲間ができ、そんな仲間と話してると、自分は地元の小さなコミユニティの、特別な「障害者」ではなくなる。障害をもているのも気にならないくらい多い、世界中の同じサッカー仲間のコミュニティに属すことで、小さなコミュニティで障害を持ちながらどう過ごして行くかという悩みから、どうやったらサッカーが上手くなるか?というポジティブな考えを持つようになり、今まで誰かにフォローされていたのが、チームで誰かをフォローする立場になることで、気持ちもドンドン前向きになるのであろう。


僕は、これをそばで見ていて、気持ちが良くてしょうがない。

たった一度飛行機に乗るだけで人が変わるのだから。

たまに喋り方まで変わります(笑)→いきなり関西弁に引っ張られる奴までいる(笑)


当の本人より、もっと悩んでいる「障害者の家族」が多くいると思います。いつまでも自分が元気に世話をしてあげられない。。。と悩みを打ち明けられることもしばしば。

しかし、そんな時必ず僕がいうのは、本当に心配なら早く社会に出すことですよ!ということだ。


きっと社会に出たら、多くのことで不自由を感じ、嫌な思いをするだろう。でもだからといって、ずっと家にこもっていたら、同じ境遇の仲間に会うこともないし、障害なんて気にしなくて付き合える本当の友達にも会えないのだ。


そんな仲間や友達に出会えるきっかけとして、スポーツは最適なものだと感じている。今後NPO法人ナインプロモーション沖縄は、CPサッカーはもちろん健常者も障害者も子供と大人も高齢者も、様々な出会いが生まれるコミュニティー作りを行っていきたいと考えいます。


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↓は今回話にも登場したキャプテン松田選手です!

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